大学の学費が払えない…学費未納だと除籍になる?滞納前の対処法は?

大学の学費が払えない…学費未納だと除籍になる?滞納前の対処法は?

大学の学費が払えない

大学の学費が払えない場合の対処方法と注意点について

一昔前に比べて、国公立大学の学費はかなり増加しています。その一方で、世帯収入は減少の一途をたどっており、収入における教育費の負担は増すばかりです。このような教育費や奨学金にかかわる問題は社会問題としても取り上げられているため、将来的には制度が改正される可能性もあります。しかし、今現在の状況が急に変わることはありません。今学生である方、また子供が大学に通っているという方は、自力救済するしか方法がないのです。下宿しているのか、していないのかによっても負担は大きく異なりますが、大学生の支出の中で最も大きいのは、やはり学費ではないでしょうか。

そこで今回は、大学の学費を滞納したらどうなるか、また滞納しそうな場合にどのような対処法があるかについてご紹介します。

大学の学費が払えない場合どうなるのか

大学在学中には入学金や授業料だけにとどまらず、学校関連費用や通学費用、一人暮らしをしている場合は住居費から光熱費、食費など、かかる費用を挙げるとキリがないですよね。すべてを保護者が負担してくれるという恵まれた環境にある場合は、保護者に感謝しましょう。

一方で、家計負担がピークに達する大学在学中は、学費の支払いに苦労する家庭も少なくありません。

家賃を滞納すると最終的には退去せざるを得なくなることはいうまでもありませんが、大学の学費を滞納した場合はどうなるのでしょうか。すぐに退学扱いになるのでしょうか。

実際のところ、学校によって扱いは異なりますが、学費の滞納が続くと最終的には「除籍」扱いになることがほとんどです。

どれだけの猶予期間があるのかについては一概にいえませんが、支払期日から3カ月後、当該学期末まで、2期分以上滞納、当該年度末、1年以上滞納などが、各学校によって定められています。

除籍になってしまうと、「大学中退」となるのはもちろんですが、場合によっては在学していた事実を抹消されることもあります。というのも、「除籍証明書」(「退学証明書」)を発行してくれる大学とそうでない大学があるためです。後者では、事実上大学に在学していたことを証明できなくなってしまいます。

また、1度除籍された後でも復学できる学校はありますが、すべての学校がそうではありません。復学届が受理される期限や条件などを知りたい方は、大学に確認を取りましょう。

大学の学費を滞納しそうなときの対処法

それでは、やむを得ず学費を滞納しそうなときはどうすれば良いのでしょうか。

ここでは、いくつかの対処法をポイントごとに解説します。

まずは大学に相談

大学に相談

学費に限らず、支払いが困難になったときに黙って滞納することは、避けたほうが良いといえます。

支払う側が人間であれば、受け取る側もまた人間。何の断りもなく滞納された場合と、事情をあらかじめ説明している場合では、心証が大きく異なることは想像に難しくないでしょう。

とはいえ、「事前に相談したからといってルールを曲げてくれるわけはないだろう」と思う方もいるかもしれません。それは確かにそうなのですが、少なくとも最悪の事態を避けるためにどのような救済措置があるかは教示してくれます。

いずれにせよ、相談しないことは「百害あって一利なし」です。まずは学生課(名称は学校によって異なります)の窓口に相談しましょう。

学費延納

学費延納

窓口に相談にいくと、学校側はいくつかの方法を提示してくれます。

その1つは、「延納」という方法です。支払いの期限を延長してくれます。

延長期間は学校によって異なりますが、通常学費は半期ごとに支払期限がありますので、次回期限の直前まで、つまり約半年間というのが最大の延納期限であることが多いようです。

もちろん学校によっては、1カ月程度しか待ってくれないこともあります。

延納を認めてもらうためには、学校に延納を希望する理由などを書いた申請書の提出が必要です。比較的容易に認めてくれる学校もあれば、基準が厳しい学校もあります。

延納が認められれば時間的に余裕ができるので、その間に学費を準備しましょう。ただし、延納の可否や延期される期限は学校側が判断するためこちらの都合では決められません。

なお、延滞金などは発生しませんが、次期学費の支払期日との間隔は短くなりますので注意してください。

学費分納

学費分納

半期ごとの支払いではなく、前後期の学費をそれぞれ2回~3回に分けて納付する方法を分納といいます。

分納も延納と同じく、学校に分納を希望する理由などを書いた申請書の提出が必要です。また、分納の回数については学校ごとに規定がありますので、分納希望者の都合で回数を増やすことはできません。

いっぺんにまとまったお金を用意できない場合は、分納を希望したほうが良いでしょう。

学費免除・学費減額

学費免除・学費減額

学費免除・学費減額は、学費そのものを免除あるいは減額してもらう方法です。学校ごとに学費の免除や減額の規定がありますので、どのような規定があるのかは学生課に問い合わせましょう。

通常申請時期が決まっていますので、その時期を逃してしまうと、そもそもの申請自体ができなくなってしまうため、注意してください。

また、審査には家計の状況だけでなく、申請までの成績状況も大きく影響します。 希望する場合は、スケジュールをしっかり確認するとともに、成績の向上にも努めましょう。

奨学金・教育ローンを利用する

奨学金・教育ローンを利用する

奨学金や教育ローンの利用は、学費の準備で最も一般的な方法といえます。中でも、利用者が最も多いのは、日本学生支援機構の奨学金です。

日本学生支援機構の奨学金には、給付型、貸与型(第一種)、貸与型(第二種)の3種類があります。

ここでは、日本学生支援機構の奨学金を中心に、学費の準備に利用できる奨学金と教育ローンをご紹介します。

日本学生支援機構の給付型奨学金

給付型の奨学金は、住民税非課税世帯(市町村民税所得割額が0円)、生活保護受給世帯、社会的養護を必要とする方(18歳時点で児童養護施設などに入所している方など)が対象となります。

給付金額は、以下のりです。

国公立大学に進学で自宅通学の場合 月額2万円
国公立大学に進学で自宅外通学の場合 月額3万円
私立大学に進学で自宅通学の場合 月額3万円
私立大学に進学で自宅外通学の場合 月額4万円

該当要件が厳しく、給付の金額も大きくはありませんが、利用できる可能性があるならぜひ申請しましょう。

なお、授業料の全額免除が認められている場合は、給付金額が減額されるため注意してください。

日本学生支援機構の第一種貸与型(無利息)奨学金

世帯収入がおよそ以下の金額以内であれば、第一種貸与型奨学金の申し込みを検討してはいかがでしょうか。

世帯人数3人 給与所得者 657万円
給与所得者以外 286万円
世帯人数4人 給与所得者 747万円
給与所得者以外 349万円
世帯人数5人 給与所得者 922万円
給与所得者以外 514万円

家計基準の他、学力による審査(高校1年生から申込時までの成績の平均値が3.5以上)もありますが、条件を満たして採用されれば、無利息で資金調達することが可能です。

貸与金額(※1)は、次のように定められています。

国公立大学に進学で自宅通学の場合 月額3万円、月額4.5万円(選択制)
国公立大学に進学で自宅外通学の場合 月額3万円、月額5.1万円(選択制)
私立大学に進学で自宅通学の場合 月額3万円、月額5.4万円(選択制)
私立大学に進学で、自宅外通学の場合 月額3万円、月額6.4万円(選択制)

(※1)今回ご紹介している貸与月額は、平成29年度以前に大学に入学した方が対象です。平成30年度以降の場合は金額が異なります。また、大学、短期大学、大学院など、教育機関によっても金額が異なります。

日本学生支援機構の第二種貸与型(利息付き)奨学金

第二種奨学金は第一種よりも緩い基準で利用できます。

世帯年収の目安上限は以下の通りです。

世帯人数3人 給与所得者 1009万円
給与所得者以外 601万円
世帯人数4人 給与所得者 1100万円
給与所得者以外 692万円
世帯人数5人 給与所得者 1300万円
給与所得者以外 892万円

貸与される金額は、3万円から最大16万円の中から自分で選択できます。

学力基準は「平均水準以上」です。

大学などへの進学後に奨学金の貸与を申し込む場合は、在学している学校の奨学金窓口で申請を行います(在学採用)。

在学申し込みは毎年春に募集を行っていますが、申請時期を逃すと利用できません。ただし、緊急の場合は「緊急採用・応急採用」という枠がありますのでそちらを検討しましょう。

日本学生支援機構の緊急採用・応急採用奨学金

病気や失職、災害などで家庭の経済状況が急変し、緊急に奨学金が必要になった場合は、緊急採用・応急採用を活用しましょう。時期を問わず申し込みができます。

通常申し込みの条件に加え、緊急を要する事情の変化を証明することが必要ですが、該当する場合は早めに申し込みましょう。

なお、貸与が開始されるのは、申し込みから1~2カ月後になります。緊急時は、奨学金の緊急採用を申し込むのと同時に、延納や分納の手続きも合わせて行ってください。

大学独自の給付型奨学金

大学によっては、独自の給付型奨学金制度を持っている場合があります。

学業やスポーツで優れた成績を収めている場合など、大学の定める基準をクリアしているのであれば、申し込んでみる価値はあるでしょう。

教育ローン

銀行などの金融機関が取り扱っている目的ローンの1つ、「教育ローン」を利用する方法もあります。

日本政策金融公庫では、「国の教育ローン」という商品を取り扱っており、条件を満たせば民間のローンよりはるかに有利な条件で利用できます。

銀行の教育ローンは、上限所得の制限がなく、幅広い方が利用できますが、金利は公庫の教育ローンや有利子型の奨学金に比べると割高です。

なお、利用用途は学費や入学金、留学資金などの教育関連費用に限定されます。また、教育ローンは奨学金と異なり、保護者名義で借り入れするのが原則です。

日払いなどの短期アルバイトをする

日払いなどの短期バイトをする

アルバイトをして収入を得ることも効果的な方法です。

授業などが忙しくてなかなかアルバイトができない方でも、短期アルバイトであればすぐに現金を手にすることが可能ですし、自分の都合に合わせて働くこともできます。また、期間限定のアルバイトなどで一時期に集中的に働くことで、ある程度まとまったお金を手にすることも可能です。

奨学金やその他のローンと異なり、返済する必要のないお金ですので、可能な限り自分の力で稼ぐことも検討してみてください。

カードローンを利用する

カードローンを利用する

カードローンの1番の特徴は、利用目的の制限がないことです。もちろん、教育関連費用に利用できますし、教育費負担で手薄になった生活資金としての利用もできます。

金利は有利子型奨学金よりは割高ですが、銀行系の低金利カードローンを利用すれば、場合によっては教育ローンとさほど変わらない金利での利用が可能な場合があります。

カードローンは、未成年者は利用できませんので、保護者名義で借り入れすることが前提です。しかし、20歳以上でアルバイトなどの安定した収入があれば、本人名義でも借り入れができます。

日払いアルバイトと同じく、早急に資金の手配ができますので、急ぎの場合はカードローンの利用も検討してください。

休学・退学する

休学・退学する

奨学金やアルバイト、学費の延納、分納、免除では生活の再建ができない場合は、いったん学校を離れなければならないこともあるでしょう。

通常、病気や経済的理由があれば、休学が認められます。

休学の期間は半期からで、最長期間は2年~4年(連続しての期間や通算の期間で判断されることもあります)と、学校によって規定があります。

ただし、休学中も在籍料が必要だったり授業料の半額程度を納めなければならなかったりと、費用負担がなくなるわけではありません。また、休学届を半期ごとに都度提出する必要がある学校もあります。それが難しいようであれば、利子付きの奨学金や教育ローン、カードローンなどを利用して、教育資金の調達を検討しましょう。

大学の学費未納は除籍扱いになるので注意

今回は、大学の学費を滞納したらどうなるか、また滞納しそうな場合にどのような対処法があるのかご紹介しました。

やむなく滞納しそうなときは、事前に学生課などの窓口で相談しましょう。自分では気がつかなかった方法や、救済措置があるかもしれません。

学費の負担は学生本人にとっても、保護者にとっても大きなものです。授業料免除や減額、給付型の奨学金など、負担を減らせる方法がないか、しっかりと確認しましょう。次に、アルバイトで賄ったり、無利子の奨学金を利用したりできないかも検討してください。

それが難しいようであれば、利子付きの奨学金や教育ローン、カードローンなどを利用して、教育資金の調達を検討しましょう。

田中 裕晃
田中 裕晃

CFP®・1級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認不動産コンサルティングマスター/宅地建物取引士/マンション管理士/ 住宅ローンアドバイザー/賃貸不動産経営管理士 他
日本FP協会主催「くらしとお金のFP相談室」で平成29年度相談員担当

大手賃貸仲介業者に就職し、新人賞獲得。店長職を経験後、売買仲介業者として独立。不動産業を営む傍ら、ファイナンシャルプランナーとしても活動中。

住宅の取得やそれに付随するライフプランニングの設計、資産の組み換え、不動産投資、相続対策などに関しての相談業務を行っている。

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