国民健康保険料が高い!払えない場合どうする?減額・免除などの対処法

国民健康保険料が高い!払えない場合どうする?減額・免除などの対処法

国民健康保険料が払えない

国民健康保険が高い…保険料を払えないときの減額や免除などの方法

日本は「国民皆保険(ユニバーサルヘルスケア)」を謳っていますので、基本的に国民は何らかの健康保険に加入していることになります。会社勤めの方は、会社を通じて全国健康保険協会(協会けんぽ)もしくは健康保険組合、自営業の方は国民健康保険に加入します。あるいは、扶養家族という形で加入している方も多いでしょう。

国民健康保険や健康保険に入っていると、病院で診察を受けたときの自己負担が3割(年齢によって違いはあります)になるなどのメリットがありますが、当然保険料を負担しなければなりません。その保険料は所得によって増減し、所得が高い程保険料も高くなります。

健康保険は給料から天引きされるので、滞納することはないでしょう。しかし、国民健康保険は自身で納めないといけませんので、資金繰りによっては払えない可能性もあります。

そこで今回は、国民健康保険料がいくらかかるのか、保険料が高い理由、払えない場合の対処法についてご紹介します。

国民健康保険料はいくらかかるの?

国民健康保険料はいくらかかる?

では、国民健康保険料はいくらかかるのでしょうか。

国民健康保険料は全国一律ではないため、計算がとても複雑です。自治体ごとに保険料料率が異なり、保険料が安い自治体と高い自治体があります。また、年度によっても数字が変わります。この点はあらかじめご了承ください。

では、具体的な計算例をご紹介しましょう。仮定条件は以下の通りです。

世帯人数:3人(夫40歳(自営業)、妻40歳(専業主婦)、子5歳)
夫の所得:事業所得500万円(経費を控除した後の所得です)
居住地:京都市
年度:平成30年度

まず、保険料には「平等割」「均等割」「所得割」という区分があります。

それぞれの意味するところは次の通りです。

「平等割」:1世帯にかかる金額
「均等割」:世帯の人数分かかる金額
「所得割」:所得によってかかる金額

さらに、保険料の用途別に「医療分」「後期高齢者支援分」「介護分」に分けられます。

つまり、

医療分の「平等割」「均等割」「所得割」
後期高齢者支援分の「平等割」「均等割」「所得割」
介護分の「平等割」「均等割」「所得割」

と、9つのカテゴリーで計算された金額の合計が保険料となるのです。

介護分に関しては、介護保険の第2号被保険者(40歳以上65歳未満の加入者)のみ該当します。

それぞれの金額は、

医療分「16,490円」「73,080円」「353,052円」(小計442,622円)
後期高齢者支援分「6,000円」「26,610円」「132,161円」(小計164,771円)
介護分「4,750円」「18,820円」「118,151円」(小計141,721円)

となり、合計は749,114円です。

保険料は自治体によって上限が設けられていますが、京都市の平成30年のケースでは、最高額は93万円(医療分58万円、後期高齢者支援分19万円、介護分16万円)となっています。

どうして国民健康保険は高いの?

どうして国民健康保険は高いのか

前項でご紹介した事例では、所得500万円に対して年額約75万円と、かなり高額になることが確認できました。なぜ国民健康保険料は高いのでしょうか。

国民健康保険料は全額自己負担

国民健康保険料は全額自己負担

保険料の高い安いについて論じる上で、比較対象が必要でしょう。ということで、まずは健康保険の場合の金額を確認しましょう。

仮定条件は前項の例と基本的に同じで、健康保険加入者(給与所得:標準報酬月額41万円)とします。すると、健康保険料は月額47,519円、年額で570,228円です。

しかし、実際に負担する保険料はこの半分で、月額23,760円、年額285,120円になります。同程度の所得のはずなのに、健康保険料と比べると国民健康保険料は約2.6倍、約46万円もの差です。

この差を生む要因は、健康保険料は事業主(会社など)と折半で負担するのに対し、国民健康保険料は全額自己負担だからです。つまり、健康保険料の場合も本来は約57万円の保険料がかかっているのですが、会社がそのうちの半分を払っています。これらの違いは、個々人の保険料負担を考える際、これはかなり大きなポイントでしょう。

世帯構成によっても変わる

世帯構成

健康保険の場合は、扶養家族の人数によって保険料が変わることはありません。専業主婦の妻がいても、お子さんが何人いても保険料の金額は同じです。

一方、前項で計算過程をご紹介した通り、国民健康保険料の場合は世帯の人数によって保険料が変わります。世帯人数が増えると均等割の人数が増え、保険料にも影響するのです。

仮に、例の条件で単身者だった場合、保険料は年額673,244円となり、75,870円も安くなります。世帯人数が多いほど、国民健康保険の方が不利であると言えます。

国民健康保険料が払えない理由の例

国民健康保険料が払えない理由

国民健康保険料が払えないケースというのは、どういった場合が考えられるのでしょうか。以下、いくつかご紹介しましょう。

会社をクビになって無職だから国民健康保険料が払えない

会社をクビになったり、自己都合で辞めたりと理由は様々ですが、会社員でなくなると健康保険の加入者ではなくなります。しかし、手続きをすれば2年間に限り健康保険の任意継続が可能です。ただし、いままで会社が半額負担してくれていた分も自分で負担するため、単純に考えても保険料は従来の2倍になります(上限あり)。

任意継続をしない、もしくは任意継続の手続きを忘れていた場合は、国民健康保険に切り替えることになります。保険料の面で任意継続した方が得か、国民健康保険にした方が得かは、役所の窓口で試算してくれますのでご相談ください。

いずれにせよ、保険料を支払わないといけないことに変わりはありません。しかし、職を失って収入がない状態では先立つものがないでしょう。失職をきっかけに滞納に陥る、ということはよくある話なのです。

母子家庭だから国民健康保険料が払えない

母子家庭で正社員での勤務が難しく、パートやアルバイトで収入を得ているという場合もあるでしょう。パートやアルバイト雇用でも、条件を満たせば健康保険への加入が可能です。しかし、加入条件を満たさない場合は、国民健康保険に入る必要があります。所得が低ければ、所得割の負担は少ないかもしれませんが、平等割や均等割の負担は避けられません(自治体によって免除、減額規定を設けていることもあります)。母子家庭で生活に余裕がなく、生活費だけで手一杯という場合も、国民健康保険料を支払えないケースがあるのです。

自営業や個人事業主で資金に余裕がないから国民健康保険料が払えない

国民健康保険の加入者は、自営業や個人事業主がメインです。会社員と違い、事業を持続、展開するために経営をしなければなりません。そして、経営で一番重要なのはキャッシュフローです。

会社組織であっても黒字倒産があるように、利益が出ている・出ていないに関係なく、お金の流れが悪くなるとたちまち破綻に追い込まれる可能性があります。そのため、事業資金を一番優先しなければならず、自然と国民健康保険料の支払いが後回しになってしまうのです。悪意があって滞納している、というケースもあるかもしれませんが、滞納者の多くは払いたくても手元に資金がないという状況ではないでしょうか。

国民健康保険料が払えないとどうなるの?

差押予告

国民健康保険料を支払わずに滞納した場合、支払督促から差し押さえ、そして強制執行による徴収へと手続きが進みます。延滞金がかかるケースもありますので、家計はどんどん苦しくなってしまうでしょう。

また、国民健康保険証を返納する必要があり、短期保険証資格証明書という、別の保険証に切り替えられてしまいます。短期保険証は、有効期間が短く都度更新が必要だったり、資格証明書は医療費を一時的にすべて自己負担し、後日申請して還付を受けたりと、様々な不都合が出てきます。滞納が長期にわたると、そもそも保険給付の対象から外されてしまう可能性もあります

このように、国民健康保険料を払わないまま放置することは、大きなデメリットを抱えることになってしまうのです。

国民健康保険料が払えない場合の対処法

国民健康保険料が払えない場合の対処法

それでは、国民健康保険料が払えない場合は、どう対処すればいいのでしょうか。ここでは、対処法をご紹介します。

減額・免除申請をする

一定所得以下の場合は、平等割、均等割の固定費分を減額する、といった運用をしている自治体もあります。そういった減額制度の他に、失業や災害などで収入が途絶えた、もしくは収入が著しく減少した場合などは、年度の途中であっても保険料を減免してくれるケースがあります。

ただし、各自治体によって適用基準や減免額は異なりますので、一度お住まいの地域の役所窓口に相談することをおすすめします。

また、失業や災害など、突発的な理由以外で支払いが困難な場合でも、減免や分割払い、延納などの柔軟な対応をしてくれる可能性もありますので、黙って滞納せずにまずは相談しましょう。

国民健康保険料が安い市区町村へ引っ越す

国民健康保険料の保険料は、自治体によって様々です。金額の高い自治体と安い自治体では、年間数十万円の開きがあることもあります(世帯人数や所得によって変わります)。

国民健康保険料の金額だけを理由に引っ越しする、というのは現実的ではないかもしれませんが、自治体の境目付近に住んでいて、隣接する自治体の保険料が安ければ、近距離の引っ越しを検討するのも1つの手段です。また、これから他の自治体へ転居する予定がある方は、保険料の多寡を下調べしておくことで有利な選択ができるかもしれません。

自営業なら法人化する

法人であれば健康保険適用事業所となりますので、健康保険に切り替える義務があります。一人親方など、経営者と役員(代表者)が同じ場合は、会社負担分の健康保険料も自分で払うようなものであり、保険料が半額負担であるというメリットは得られません。しかし、扶養家族がいても保険料は一定ですので、結果的に保険料を安く抑えられるかもしれません

ただし、設立費用や毎年の法人税など、増える経費もあります。法人化は様々な角度から検討が必要です。

二世帯住宅なら世帯合併をする

国民健康保険料は世帯ごとに計算します。同一世帯の中に複数人所得を有する者がいれは、所得は合算になりますので、保険料は増大します。

二世帯住宅で世帯分離しているケースで世帯を合併すれば、所得は合算されますので、所得割は高くなるかもしれません。しかし、上限額に達する場合は、結果的に安く抑えられるケースも考えられます。また、平等割は2世帯分から1世帯分になりますので、安く抑えることができます。

家族構成や所得の状況によって損得が変わりますので、まずはシミュレーションしてみることをおすすめします。

カードローンなどで借り入れをする

カードローンは、利用目的を問われないものもあるため、国民健康保険料の支払いに充てることができます。一時的に資金がショートする場合につなぎで使うなど、利用方法によってはかなり有効です。また、国民健康保険料以外にも、国民年金や固定資産税、住民税、事業税などに充てることもできます。緊急でお金が必要な場合は、即日での融資が可能なカードローンもありますので、利用を検討してみましょう。

国民健康保険料が払えない場合は役所の相談窓口に

今回は、国民健康保険料がいくらかかるのか、なぜ高いのか、保険料を払えない場合の対処法などについてご紹介しました。

国民健康保険料は、決して安いものではありません。しかし、万が一のときは保険給付によって非常に助かる制度でもあります。社会のセーフティネットである国民健康保険制度を維持するためには、被保険者の保険料負担が欠かせないのです。

また、被保険者の立場からすると、国民健康保険料を滞納してしまうことは、様々なデメリットになります。督促や差し押さえといった直接的なものから、保険給付が受けられないといった間接的なものまで、どれも大きなリスクと言えます。

万が一、保険料の支払いが厳しいときは、黙って滞納するのではなく、必ず市区町村役所の国民健康保険窓口に行って相談するようにしましょう。なお、緊急でお金が必要な場合は、即日での融資が可能なカードローンも存在しますので、利用することも1つの手段です。

田中 裕晃
田中 裕晃

CFP®・1級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認不動産コンサルティングマスター/宅地建物取引士/マンション管理士/ 住宅ローンアドバイザー/賃貸不動産経営管理士 他
日本FP協会主催「くらしとお金のFP相談室」で平成29年度相談員担当

大手賃貸仲介業者に就職し、新人賞獲得。店長職を経験後、売買仲介業者として独立。不動産業を営む傍ら、ファイナンシャルプランナーとしても活動中。

住宅の取得やそれに付随するライフプランニングの設計、資産の組み換え、不動産投資、相続対策などに関しての相談業務を行っている。

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