遅延損害金とは?計算方法やローン審査への影響を分かりやすく解説

遅延損害金とは?計算方法やローン審査への影響を分かりやすく解説

遅延損害金って何?計算方法やローン審査への影響を詳しく説明

遅延損害金って何?計算方法やローン審査への影響を詳しく説明

「遅延損害金」という言葉を聞いたことはありませんか?カードローンに限らず、お金の貸し借りや家賃などの支払いを取り決める契約書には、必ずこの言葉が記載されています。

しかし、「遅延損害金は支払いや返済が遅れたときのペナルティー」という漠然とした認識はあっても、損害金の金額や具体的な計算方法については知らない方が多いのではないでしょうか。

そこで今回は、遅延損害金の特徴や計算方法、支払いが遅れた場合、損害金以外にどのようなペナルティーがあるのか、また今後の借り入れにどのような影響があるのかをご紹介します。本稿をよく読み、遅延がもたらす悪影響をしっかり把握しましょう。

遅延損害金とは?

遅延損害金とは?

遅延損害金とは、例えば「毎月20日に1万円を返済する」という取り決めをしているにもかかわらず、20日を過ぎても返済がされなかった場合、つまり、期日までに支払いもしくは返済できなかった際に発生するペナルティーです。カードローン会社によっては、遅延利息、延滞損害金、延滞利息と表現することがあります。

カードローン会社は、延滞が始まると、粛々と遅延損害金を請求します。

なお、カードローンだけでなく、家賃の支払いが遅れた場合にも、遅延損害金が発生する場合があります。これは、住宅の賃貸借契約書にも遅延損害金の記載があるためです。

家賃の支払いが遅れると貸主に「遅延損害金の請求権」が発生しますが、実務上請求の手続きが面倒なことや、借主との関係が悪くなることを懸念して、実際に遅延損害金を請求することはほとんどありません。

ただし、家賃保証会社などが間に入っている場合は、請求手続きに慣れているため、遅延損害金を請求されることがあります。

遅延損害金の計算方法

では、遅延損害金はどのように計算するのでしょうか。ここでは、遅延損害金の計算方法をご紹介します。

遅延損害金の利率

遅延損害金の利率

遅延損害金の利率は、利息制限法で規定されています。

具体的には、通常の借入金に対する利率の1.46倍と定められているため、借入金額が10万円未満の場合は年率29.2%、10万円以上100万円未満の場合は年率26.28%、100万円以上の場合は年率21.9%です。

また、これとは別に貸金業法にも規定があり、その中では上限利率が20%と定められています。

貸金業法は貸金業者に適用される法律のため、消費者金融カードローン、信販カードローン、流通カードローンの利率はすべて上限が20%になります。

実際のところ、多くのカードローンでは遅延損害金の利率を20%と定めていますが、中には14%くらいのものもあります。

傾向としては銀行カードローンの利率のほうが少し低めに抑えられているようです。

遅延損害金の起算日

遅延損害金の起算日

遅延損害金は、返済期日の翌日から発生します。

仮に返済期日が20日であれば、21日からカウントします。25日に返済したとしたら、5日分の遅延損害金がかかるということです。

遅延損害金の具体的な計算例

それでは、遅延損害金の計算方法を具体的な例で確認しましょう。

借入残高が100万円、借入金利が15%、遅延損害金の利率が20%、毎月の返済期日が20日、毎月の返済額が26,000円、この月の日数は30日と仮定します。

遅延損害金の計算方法は、借入残高×遅延損害金の利率(年率)×延滞日数÷365です。そのため、遅延損害金は以下の金額になります。

1.期日を1週間過ぎた場合(27日に返済)
1,000,000円×20%×7÷365=3,836円
2.期日を1カ月過ぎた場合(翌月20日に2カ月分を返済)
1,000,000円×20%×30÷365=16,438円

当月の返済の内訳を、元金13,500円、借入利息12,500円(※1)と仮定した場合、遅延損害金を含めた支払いはそれぞれ以下の通りです。

元金 9,664円 0円
借入利息 12,500円 9,562円
(2,938円は未払い利息になる)
遅延損害金 3,836円 16,438円

前者は元金への繰入金が減るだけで済んでいますが、後者に関しては元金がまったく減らないばかりか、未払い利息まで発生します。未払い利息は翌月精算されることになるため、翌月返済期日にきっちり返済できたとしても、以下のような内訳になってしまいます。

元金 10,562円
借入利息 12,500円
遅延損害金 2,938円

遅延損害金がいかに厄介なものかお分かりいただけたのではないでしょうか。

ちなみに、借入残高が10万円で借入金利が18%、遅延損害金の利率が20%、延滞期間が1週間だとすると、遅延損害金は約384円です。

「大したことないじゃないか」と思われた方は、次項でご紹介する延滞のデメリットをしっかり理解してください。

(※1)借入金利が15%の場合、実際の元金、借入利息は上記の数字とは異なります。

遅延損害金の発生によるローン審査への影響は?

返済が遅れた場合、遅延損害金というペナルティーを受けるだけでは済みません。

ここでは、金銭的なペナルティーの他に、遅延損害金により及ぼされる影響についてご紹介します。

延滞は信用情報に記録が残る

延滞は信用情報に記録が残る

延滞すると、カードローン会社が信用情報会社に延滞を報告し、その情報が記録されるため、信用情報に傷がつくことになります。

「信用情報に傷がつく」というと、「ブラックリストに載る」というイメージを持たれる方がいらっしゃるかもしれませんが、実際にはブラックリストは存在しません。

表記方法は信用情報会社によってさまざまですが、信用情報の記録として、延滞であれば「入金なし」と残るだけです。さらに延滞が2~3カ月続くと、長期延滞として記録が残ります。

滞納が解消された後も、解消日から1~5年間は「延滞解消」と記録する信用情報会社もあれば、同一の契約が続く限り延滞記録が残る信用情報会社もあります。

いずれにしても、信用情報を調査する審査には、悪影響を及ぼすといえるのです。

ただし、延滞の日数が1日でも遅れれば報告するカードローン会社があれば、数日であれば報告しないカードローン会社もあります。なぜこのような差があるのかというと、実際にどの程度の延滞で報告するかは、各カードローン会社の裁量に委ねられているためです。

厳密には1日の延滞であっても延滞に変わりはありません。できる限り延滞しないよう注意してください。

ローン審査への影響

信用情報に延滞の記録が残ると、ローン審査にどのような影響があるのでしょうか。

カードローン審査に限らず、住宅ローンの審査やクレジットカードの審査では、貸し手は必ず信用情報を調査して、審査を通すか判断します。

1度延滞したくらいでは大きな影響はないと考える会社もあるようですが、現在進行形で延滞中であったり、長期延滞の記録があったりする場合は、ほとんどの会社は受け入れを拒否するでしょう。

つまり、延滞の記録があると、高確率で審査に通らなくなるのです。

一般的にはこのような状況を、正確な表現ではありませんが、「ブラックリストに載る」と表現しています。

ローンを利用できなくなるということは、これから住宅などの購入を考えている方にとっては、人生設計そのものに影響を与えかねません。延滞には十分に注意してください。

現在使用中のカードローンにも影響が

悪影響は新規のカードローンの審査だけではありません。現在使用中のカードローンの限度額を増額したいという場合にも、延滞記録がマイナスな影響を及ぼします。

また、カードローンの契約更新に関しても、あまりに延滞が多かったり長かったりすると、更新されないということもあり得るのです。

遅延損害金が発生しそうな場合の対処法

それでは、返済が遅れたとき、また遅れそうなときはどうすれば良いのでしょうか。

ここからは、遅延したときの対処法をご紹介します。

まずはカードローン会社に連絡を

まずはカードローン会社に連絡を

返済が難しいと分かった時点で、まずはカードローン会社に連絡を入れましょう。

もちろん、連絡したからといって返済が猶予されるわけではありません。しかし、何の連絡もなしに延滞する場合と、連絡を入れて事情を伝えてから延滞する場合とでは、相手に与える印象は異なります。

また、連絡を入れるタイミングは、延滞してからではなく延滞する前にしましょう。

カードローン会社に、返済が難しい理由や、返済できる額、返済できる日程などを伝えれば、どのようにすれば良いのか指示がもらえるはずです。

一部でも支払いをする

「定められた返済金額を全額支払う余力はないけれど、一部であれば支払いが可能だ」という場合は、その旨をカードローン会社に伝えましょう。その上で、利息のみを支払ったり、返済可能な金額だけを支払ったりして、遅延損害金の発生を防止できる場合があります。

カードローン会社によっては対応が異なるため、まずはカードローン会社のコールセンターに相談するようにしましょう。

なお、一部のみを支払った場合であっても、信用情報に「一部入金」という記録が残ります。信用情報に傷がつくことに変わりはありませんが、「入金なし」と記録が残るよりかは良いでしょう。

返済予定日を伝える

返済予定日を伝える

「20日の返済期日には返済できないけれど、30日の給料日には返済できる」という状況になることもあり得るでしょう。

このような状況の場合も、カードローン会社のコールセンターに相談することをおすすめします。

カードローン会社は、利用者から連絡がなければ、利用者の事情が分かりません。返済期日までに返済できなければ、そのまま返済がないということで督促業務を粛々と進めます。

最初は電話で催促され、次に督促状が送付されるため、家族に内緒でカードローンを利用している場合は、督促状でカードローンの利用がバレてしまうことがあるでしょう。

このような状況に陥らないためにも、返済できるめどが立っている場合も、コールセンターへ連絡しておくべきです。延滞することを一言わびた上で、返済予定日を伝えておけば、余計な督促に悩まされる心配も減ります。

返済するときは遅延損害金を上乗せしたほうがいい

遅延損害金の計算方法の項で説明した通り、遅延損害金が発生すると元金の減りが少なくなってしまいます。これは結局、支払利息の総額を増やすだけです。

予算の都合上、やむを得ない場合は仕方がないのですが、可能であれば毎月の定められた返済額に、遅延損害金を上乗せした金額を支払いましょう。そうすることで、予定通り元金を減らすことができ、支払利息の増加を防止できます。

なお、遅延損害金は、自分で計算する必要はありません。コールセンターに連絡して、返済予定日を伝えれば、遅延損害金を計算してもらえます。

債務整理は最終手段にする

債務整理は最終手段にする

ローンの返済がどうしてもできない状況になってしまった場合は、債務整理という選択があります。債務整理することで、利息や遅延損害金の発生が免除されるでしょう。

ただし、債務整理は信用情報に記録が残ります。一律というわけではありませんが、少なくとも5年間は新規のカードローンや住宅ローンなどの審査に通らなくなってしまいます。

そのため、債務整理はあくまでも最終手段として、予定通り、ローンを返済することをおすすめします。

遅延損害金が発生する前にコールセンターへ連絡を

今回は、遅延損害金の特徴や計算方法、支払いが遅れた場合、損害金以外にどのようなペナルティーがあるのか、また今後の借り入れにどのような影響があるのかをご紹介しました。

遅延損害金に負担を感じるかどうかは、借入金額や延滞期間によって異なります。仮に、遅延損害金の金銭的な負担が軽いからといって期日を守らないことは問題です。金銭的なペナルティーだけでなく、信用情報に傷をつけることになります。

大前提として、カードローンの利用は必要最小限の金額で、かつ返済できる範囲で借り入れることが基本です。ただ、突発的な事情で返済が滞ってしまうこともあるでしょう。その場合には、必ずコールセンターに連絡をしてください。事情をすべて話せば、自分だけでは判断が難しいことも、的確にアドバイスしてもらえます。

無断での滞納は、何のメリットもありません。状況が悪いときほど誠意を持って対応するようにしましょう。

田中 裕晃
田中 裕晃

CFP®・1級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認不動産コンサルティングマスター/宅地建物取引士/マンション管理士/ 住宅ローンアドバイザー/賃貸不動産経営管理士 他
日本FP協会主催「くらしとお金のFP相談室」で平成29年度相談員担当

大手賃貸仲介業者に就職し、新人賞獲得。店長職を経験後、売買仲介業者として独立。不動産業を営む傍ら、ファイナンシャルプランナーとしても活動中。

住宅の取得やそれに付随するライフプランニングの設計、資産の組み換え、不動産投資、相続対策などに関しての相談業務を行っている。

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