クラウドファンディングとは?メリット・デメリットと注意点を解説

クラウドファンディングとは?メリット・デメリットと注意点を解説

ノートパソコンに積み上げられた硬貨

クラウドファンディングのメリット・デメリットとは?

最近、クラウドファンディングで資金を集めて商品開発やイベントの実施などを成功させる事例を耳にする機会が増えました。クラウドファンディングは、「資金を集められるもの」「方法次第では資金が集めやすいもの」であると、何となく聞いたことがある方も多いかもしれません。

そこで今回は、クラウドファンディングについてもう少し詳しくご説明するとともに、クラウドファンディングで資金を集める方法についてもご紹介します。

「どうしても実現したい夢や目的があるが、自己資金が不足していて行動に移せない」「アイデアは持っているが、金銭的・人的な助けを得られなければ、自分の力だけでそれを形にすることができない」など、目的を叶えるための資金調達にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

クラウドファンディングとは?

アイデアとネットワークのイメージ

クラウドファンディングとは、「Crowd(群衆、人の群れ)」と「Funding(資金調達)」を合わせた、お金が不足する起案者がクラウド(不特定多数の支援者)よりファンディング(資金調達)するために生まれた造語、仕組みのことです。

何らかの目的を持った方がインターネット経由でその目的に共感を覚え、賛同する方たちを募集し、その方たちから財源の提供や協力を受けることを指しています。

クラウドファンディングの代表的な成功例としては、映画の制作や発明品の具体的な商品開発、個人や企業が掲げるプロジェクト(以下プロジェクト)への出資などが挙げられます。

小規模単位で生み出されたプロジェクトやアイデアも、インターネットを通じて全世界に周知できる点が大きな特徴です。

プロジェクト・アイデアに対して「協力したい」「出資したい」と考える賛同者を呼び込む新しい手段として、さまざまなビジネスやクリエイティブ活動において注目されています。

クラウドファンディングの歴史

募金

インターネットを活用したクラウドファンディングというサービス自体はかなり新しいものですが、クラウドファンディングの考え方そのものは、古くから行われてきた「寄付活動」と類似しています。

例えば、お寺や仏像の再建費用を多くの方からの寄付で集めたことなども、活動の趣旨そのものはクラウドファンディングと同じです。

実際に、インターネットを活用してクラウドファンディングのサービスが海外で初めて行われたのは、音楽の分野で1997年頃とされています。日本においては2011年にサービスが始まり、現在も知名度の高い大手の総合クラウドファンディングサービスがいくつか活発に活動しています。

その他、地域活性化を目的とした町おこし系のクラウドファンディングサービスや、カルチャー&エンターテインメントに的を絞った芸能・大衆文化系のものなど、特定のジャンル(例:アニメ・ゲームなど)に特化したクラウドファンディングサービスなども増えています。

このように、海外・国内の両者において、今やクラウドファンディングサービスの市場は拡大傾向にあるといえるでしょう。

クラウドファンディングの種類

さまざまなデバイスと、それを操作する人たち

大規模なクラウドファンディングサービスのWebサイトを見てみると、実に多くのクラウドファンディングが実際に行われ、多くの資金が集まっていることが分かるはずです。しかし、それらは単に「お金を集めること」だけが目的とは限りません。クラウドファンディングによる資金提供には、さまざまな手法が存在します。

ここでは、代表的なクラウドファンディングの種類についてご紹介します。

寄付型クラウドファンディング

金融商品取引法の規制対象書である寄付型クラウドファンディングは、代表的な「非投資型」のクラウドファンディングで、文字通り「寄付」です。寄付を受けた方から金銭や物品によるリターンはありません。

一見すると「募金」と同様に思えますが、募金とは「インターネットを通じての資金提供に限られている」点と、「ほとんどのケースで寄付後に活動報告が開示され、寄付された資金がどのように使用されているかを寄付した方が詳細に知ることができる」点で異なります。

募金は募金した時点で完結しますが、寄付型クラウドファンディングの場合は「お金を集めたあと、それをどのように有効活用しているか」などプロセスを知れる点が特徴なのです。 また、自治体や学校法人・認定NPO法人などが行う公益的な活動にも多く利用されています。

ただし、この場合でも税法上の「寄付金」に該当しないものがあります。

購入型(報酬型)クラウドファンディング

購入型クラウドファンディングは、支援者が資金を提供し「金銭以外の形」で何らかのリターンを受けられるクラウドファンディングを指します。見返りが見込めない寄付型よりも、人気が高いクラウドファンディングです。

購入型クラウドファンディングには、「All-or-Nothing(目標達成必達型)」と「All-In(実行確約型)」という2つの資金調達方法がある点も特徴です。

「All-or-Nothing(目標達成必達型)」の場合は、あらかじめ目標金額を設定し、期限までに集まった資金が目標を超えた場合にのみプロジェクトが実行され、リターンが発生します。目標額までの資金を集められなかった場合は、支援資金が各支援者にそのまま全額返還され、プロジェクトも実施されず終了となりリターンを得ることもできません。

一方「All-In(実行確約型)」の場合は、集まった資金の多少にかかわらず、必ずプロジェクトは実行され支援者にはリターンが確約されています。

投資型クラウドファンディング

投資型クラウドファンディングとは、資金を支援(提供)した方には利益が出た場合の配当として「金銭や株式」によるリターンが発生するクラウドファンディングを指します。この小口投資の手法は「ふるさと投資」など地方創生にも一役かっています。

投資型クラウドファンディングは、性質の違いからさらに3つのタイプに分けられています。

【ファンド型】

ファンド持分を支援者に購入させることで資金調達を行います。金銭だけでなく商品などのお返しもあり融資型よりもリターン的には魅力があるとされています。

売り上げが伸びればリターンも多くなるところから事業投資型ともいわれています。

【株式型】

株式を発行することで資金を調達します。この場合の株式は、未公開株(非上場株式)である場合がほとんどです。ただし、株式型クラウドファンディングといえども日本証券業協会の会則で認められていない未公開株の投資勧誘は禁止されています。

【融資型】

ソーシャルレンディング(Social Lending)とも呼ばれ、支援者より小口の資金を集めてそれを事業者に貸し付ける形で提供を行います。

こちらの手法は担保ともなる不動産を取り扱う会社が人気のようです。

また、出資する方(匿名組合員)の名前が表に出ないことから匿名組合形式が主流とされています。

クラウドファンディングのメリット

上昇のイメージ

無理だと思われていたプロジェクトが、クラウドファンディングの実施によって瞬く間に資金を集めることに成功し、またとないチャンスを逃すことなく実現ができたというケースも報告されています。

クラウドファンディングには「不可能と思われていたことも可能にできる」という大きなメリットがあるのでは、と考える方も多いかもしれませんね。

以下は、クラウドファンディングの主なメリットについてご紹介します。

【起案者のメリット】銀行では融資が難しいような目的でも資金集めができる

何らかの夢を実現したいと思っている方(起案者・創業者)、具体的には自分の企画したプロジェクトやアイデアを形(事業など)にしたいと考えている方がぶつかる、もっとも大きな壁は「お金(マネー)の問題」ではないでしょうか。

自分だけで資金を集めようと行動しても、そこには限界があるでしょう。しかし、クラウドファンディングならインターネット経由で全世界に向けてその夢の実現への支援を呼びかけ(発信)ることができるのです。

発信する対象の母数が大きいため、必然的にこれに共感する賛同者も募りやすくなります。

「自分1人で動くだけでは、どんなにチャンスがあってもとても実現できない」と思っていた夢も、世界中から資金協力(お金)を得ることで形にできる可能性があります。つまり、良い企画書を創案できれば多くの支援者(クラウド)より調達目標額を設定してお金を集めることができ、プロジェクトを実行に移せるのです。

【支援者のメリット】友人や好きな有名人の支援・応援ができる

「仲の良い友達が、夢を叶えるためにクラウドファンディングで資金を募っている」と聞けば、協力してあげたいと思いますよね。「有名人やスポーツ選手などがクラウドファンディングで資金提供を呼びかけている」というケースでも、それが日ごろから応援している対象であればファン(クラウド)としては少しだったとしても支援したいと考えるでしょう。

支援の結果、プロジェクトを実現・達成することができれば、友人として、あるいはファンとしても大きな達成感が得られるはずです。つまり、自分が共感したものに小口の資金で大きな関わりができるだけでなく、自分のお金を主体的に生かせるところがポイントといえます。

また、クラウドファンディングの種類が購入型であれば、プロジェクトの実現とともに新しいものやサービス、限定グッズなどがもらえることもありますから、その満足感も大きいでしょう。

【支援者のメリット】さまざまなリターンを受け取れる

先にも述べていますが、今や主流といえる購入型クラウドファンディングを支援することで、お返しとして支援者しか受け取ることのできない特別な物品やサービスを得られることがあります。リターンの種類によっては、それがかけがえのない思い出の品になるかもしれません。

また、投資型の場合は「金銭や株式」で大きなリターンを得られることがあります。実際に投資型クラウドファンディングは、外貨や不動産などに並ぶ新しい資産運用の形として業界においても注目され、今後の発展が期待されているところです。

クラウドファンディングのデメリット・注意点

提案を断る女性

インターネットによるクラウドファンディングの歴史自体が比較的新しいため、現在のところはクラウドファンディングにおける大きな失敗例などはあまり報告されていません。しかし、クラウドファンディングにもメリットばかりではなく、デメリットがあることも知っておきましょう。

ここでは、クラウドファンディングのデメリットや注意点についてご紹介します。

【起案者のデメリット】思ったように支援者が集まらない場合もある

資金提供さえ呼びかければ、「どのようなプロジェクトにも多くの支援者がすぐに集まり、必要な資金を必ず得ることができる」というわけではありません。起案者がどれだけ「受けが良いはず(例:○○に特化したなど)」と思ったアイデアでも、実際にはあまり共感や反響が得られないこともあります。

結果的に、プロジェクトに対して資金が思うように集まらないという事態が発生することがあるのです。

つまり、せっかく集めたお金も目標額に達しなければおしまい。自分が良いと思うものでも世間(世界中)からNOといわれればプロジェクトを始めることはできません。

【支援者のデメリット】支援実行後の支援額・出資額の取り下げはできない

支援する側がそれぞれ「○○円提供します」といったん実行すると、その後「やっぱりやめておけば良かった」「他の提供者と比べて資金を出し過ぎた」と思い直しても、あとから支援を取り下げたり出資額を減額したりすることはできません。

投資した資金が底をつけば、当然、期待していたお返し(配当)もなく損失ともなります。

また、流動性があるわけでもなく当然、転売もできません。

上記にご紹介したケースが、クラウドファンディングの代表的なデメリットですが、他にも以下のようなデメリットがあります。

【支援者のデメリット】プロジェクト自体が詐欺である可能性がある

街頭募金でも「恵まれない子供のために」「災害復興のために」などの名目で募金を呼びかけていたのに、実はそれが善意を裏切る詐欺だったとあとから分かるケースが稀にあります。

クラウドファンディングにおいても同様に、資金提供の呼びかけ自体が詐欺であるという可能性がゼロではありません。

もともと資金を集めることだけが目的で、その資金を持ち逃げされてしまうケースも起こります。簡単には見抜けず防ぎきれないという問題が現実にはあるのです。

もっとも、現在活発に活動しているクラウドファンディングサービスにおいては、悪意のある詐欺や詐欺まがいの事態が発生しないよう、厳格な審査や情報開示の提供を求めるなどの対策を行っています。それにより支援者が詐欺に遭う可能性はかなり低くはなっていますが、万一そういった事態に巻き込まれる可能性はあることを意識し、騙されないように十分注意しましょう。

クラウドファンディングの始め方

ゴール

「実際にクラウドファンディングを始めてみよう!」と思った方もいるのではないでしょうか。

以下では、クラウドファンディングの始め方の手順を簡単にご紹介します。

目標を設定する

まず、クラウドファンディングで資金を集めたいのなら、実際に何をするのかを決めましょう。

「いくら集まれば実現できるか」「何カ月かけて資金を集めたいか」など、具体的な目標数値まであらかじめ設定しておくのがプロジェクト(企画)を成功させるためのポイントです。

プラットホーム(Webサイト)を決める

どのサービスを利用してクラウドファンディングを行うか、プラットホームを決めます。

特にそこそこの資金を支援しがちな「投資型」などでの資産運用には要注意です。大手の総合クラウドファンディングサービスが無難ですが、プロジェクトの特徴や性質によっては特定のジャンル(○○に特化型など)に強い小規模サービスを選択した方が良い場合もあります。

プロジェクト情報を入力する

プロジェクトの趣旨や設定した目標などに基づき、Webサイト上にクラウドから共感を受けられるような文面に注意してプロジェクトの情報(画像やPR映像)を入力(登録・投稿)し、申請を行います。

プロジェクトの審査を受ける

クラウドファンディングサービスの運営サイトでは、まずプロジェクトの審査を行い、途中アドバイスや指摘事項もありますが、それに通過したプロジェクト(見込みがあると判断)だけがクラウドファンディングの開始を認められます。

プロジェクトも審査に通過すれば、晴れてクラウドファンディングをスタートアップさせることができます。

クラウドファンディングを成功させるコツ

「自分が思い描く構想」のイメージ

せっかくプロジェクトを立ち上げてクラウドファンディングを始めても、それを周知させる活動や見た方の共感を得られる工夫がされていなければ、簡単に成功させることは難しいと考えられています。つまり、プレゼンテーションや宣伝がカギとなるわけです。

ここでは、クラウドファンディングを成功に導くコツについてご紹介します。

しっかり事前準備をしてからプロジェクトを立てる

単に資金を集めたいからと行き当たりばったりでプロジェクトを立ち上げても、理解や共感を得ることは容易にはできないものです。

プロジェクトはできるだけ具体的に分かりやすい説明が可能なものにし、目標値においても説得力が得られる数値を設定するなど企画書がポイントです。「支援するほどに意味がある」と感じさせるプロジェクトを立てましょう。

支援者の興味を引く・共感してもらえるプロジェクト名をつける

プロジェクトを見た方を「支援したい」という気持ちにさせるには、プロジェクト名の付け方(ネーミング)も大切です。漫然と内容を言葉にしただけでは、見た方がその名前からイメージを膨らませることができません。

できるだけ興味を引き、「これは面白そうだ」とたくさんの方に思ってもらえそうな名称をつけましょう。

SNSを活用してプレゼンテーション・宣伝する

クラウドファンディングと切っても切れない関係にあるのがSNSです。

その場でプロジェクトをスタートさせただけでは、そのWebサイトを見た方しか情報を知ることができません。プロジェクトを1人でも多くの方に知ってもらうためには、自身のSNSで支援を呼びかけるなどSNSの拡散力(日々閲覧者の増加を念頭に)を利用する手はないでしょう。

ただし、誤った情報でも拡散されてしまいますので、そこは要注意です。

「こんなクラウドファンディングをやっています」という体験やエピソードなどをうまくアピールできる文言を書き込むだけでなく、自分のクラウドファンディングへ誘導するリンクを付記することも忘れずに行いましょう。また、随時の活動報告や支援者へのお礼も重要なポイントです。

チャンスは突然やってくる!?アイデアや夢の実現のためにクラウドファンディングの活用を検討しよう

今回は、多くの方から資金の提供を受けて夢やアイデアの実現に近づける「クラウドファンディング」について、詳しくご紹介しました。

クラウドファンディングは、特殊な発想や思いつきを得意とする、特別な方だけが行っているものではありません。サービスサイトをよく見ると、ごく普通の方でも方を引き付けるアイデアでプロジェクトを実現させています。

普通の生活における突然のふとした気づきから思わぬアイデアが生まれます。これをチャンス(絶好の機会)と捉えると、新しい、大きな何かを生み出すことにつながるかもしれません。カメラのシャッターはもう二度とこない一瞬を捉えます。せっかくやってきたチャンスはしっかりつかみ取りましょう。

「きっと役に立つ」「きっと面白くなる」と思えるアイデアが自分の中にあるなら、これを機会にぜひクラウドファンディングの活用を検討してはいかがでしょうか。

木村 正人
木村 正人

ファイナンシャル・プランナ-、CFP®、GLGカウンシルメンバ-
FP1-オフイス21 代表(http://fp1-office21.com/)

ライフプラン&マネ-に関するコンサルティングから金融・財務など法人まで、コンサルティングを行う。全国信用組合月刊誌、みずほリサーチ&コンサルティング専門書、そのほか「一般・経営者」向けコラムなど原稿執筆実績あり。

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