年金受給者でもカードローンでお金を借りることはできる?

年金受給者でもカードローンでお金を借りることはできる?

微笑み合うシニアの男女

お金を借りたい……年金受給者でもカードローンを利用できる?

公的年金を受給している年金受給者が、何らかの理由で生活費も含めた運転資金が不足し、お金を借り入れたいと考えることもあるでしょう。そんなとき、カードローンと呼ばれる方法でお金を借り入れることはできるのか、できるとしたら年金受給者独特の条件等を考慮したときの注意事項があるのか、資産を担保にした方法での借り入れなのかなど、多くのことが気になります。

そこで今回は、年金受給者でもカードローンでお金を借りられるのかについてご紹介します。

年金受給者はカードローンを借りられる?

カードに手を差し出すシニア

「年金受給者」とは、どういう人を指すのでしょうか。一口に年金受給者といってもそれぞれの状況によって年金受給の開始年齢が違うので、まずここを明確にすることから始めなければなりません。

なぜなら、この違いは受給している年金そのものの違いを意味し、その違いがカードローンによる借り入れの審査に影響が出るからです。

なお、今回のコラムでは、いわゆる「公的年金受給者」のことを「年金受給者」といい、個人年金の受給者については触れません。また年金受給者は、公的年金だけを受け取る人を指すわけではありません。お金を借りるにしても、年金の他に安定した収入源があるに越したことはないのです。

国民年金受給者

国民年金の記録と電卓と紙幣

20歳から60歳まで自営業で生活を営んできた人、かつ20歳前や60歳以降も一般企業や公務員経験がない人は、国民年金受給のための一定の条件(※1)を満たせば、65歳から国民年金(老齢基礎年金)だけを受給します。

(※1)国民年金受給のための一定の条件

国民年金の被保険者である20歳から60歳の期間(第1号被保険者期間といいます)に、年金の保険料を10年以上納めていること。この期間には保険料が免除される期間も含みます。

厚生年金受給者

スーツのシニア男性

厚生年金は、現在2段階の支給が行われています。

第1段階は、一般の企業や国家、地方公務員等を12カ月以上経験した人(第2号被保険者といいます)で、厚生年金受給のための一定の条件(※2)を満たせば、被保険者の生年月日により決まる年齢(※3)から厚生年金(特別支給の老齢厚生年金)を受給します。

第2段階は、一般の企業や国家、地方公務員等を1カ月以上経験した人(こちらも第2号被保険者といいます)で、厚生年金受給のための一定の条件を満たせば、65歳から厚生年金(老齢厚生年金)を受給します。なお、第2号被保険者の被扶養配偶者を第3号被保険者といいます。

(※2)厚生年金受給のための一定の条件

一般の企業や国家、地方公務員等で厚生年金保険料を納めていた期間と、自営業だった第1号被保険者期間との合計の保険料納付期間が10年以上。

(※3)被保険者の生年月日により決まる年齢

特別支給の老齢厚生年金は、順次61歳以降からの支給開始年齢に引き上げられ、現在はその過渡期にあります。最終的に、この特別支給の老齢厚生年金はなくなるでしょう。

年金の繰り上げ受給者

繰り上げのイメージ

老齢基礎年金の受給開始年齢は65歳、特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢は、被保険者の生年月日により決まり(60歳から64歳)、老齢厚生年金の受給開始年齢は65歳です。しかし、受給権者が希望すれば65歳からの年金を繰り上げて、60歳から64歳のいずれかの年齢から開始することもできます(ただし、この場合は受給金額が減額されます)。

年金受給者とは?

お金の上を歩くシニア女性の模型と、車椅子のシニア男性の模型

ここまで複雑な年金の開始年齢について解説しました。年金受給者がカードローンでお金を借り入れるときには、年金の種別と年齢が審査での大きな要素になるので、あえて詳しくお伝えしました。

以降の解説では、これらの条件を満たした年金受給者がカードローンでお金を借りるケースを検討します。ただ、「カードローン」といっても貸金業者を規制する法律の違いで、消費者金融系と銀行系に分けられるので、その違いも確認してみましょう。

消費者金融カードローンの特徴

カードの受け渡しをするスーツの男性

消費者金融カードローンは、貸金業法のもとで貸金業を営む会社からお金を借り入れる場合のことをいいます。一般的に消費者金融業者とは、いわゆる「サラ金」のことです。とはいえ、貸金業法の施行後は銀行の傘下に入るなど、イメージの改善に努めており、安全に借りやすい会社としての生き残り策を講じています。貸金業法の下で多くの信販会社も、お金を貸す業務を行っています。どちらも貸金業法による規制を受けることには変わりはありません。

貸金業法

貸金業法の規制で銀行法にない大きな特徴は、「総量規制」。総量規制では、お金を借り入れる人の年収により、貸し出す金額の上限を設けています。お金を借り入れる人の年収3分の1が、貸し出す金額の上限です。

1社の消費者金融からお金の借り入れを申し込む場合、年収をあらかじめ聞いておけば、今回の借入額が年収の3分の1かどうかは容易にわかります。しかし、借入額の返済が終わっていない状況での再度の借り入れや、同時に複数の消費者金融からお金を借り入れる場合など、借入額の総額が年収の3分の1以内かを知ることが難しいケースもあるため、その手段も設けています(その方法は、見出し「個人信用情報」を参照してください)。収入源が年金だけという人の場合、金融業者によっては年金を「収入」としていないところもあり、この場合は収入が0円と判断されるので、お金を借りることができません。

金利

金利は、解釈のしかたによって上限となる利率が異なる時代があり、このあいまいな「グレーゾーン」の金利(※4)でお金を借り入れ返済していました。現在は、法整備がされその当時のグレーゾーン金利をめぐる「過払い金」の返済について、世間の関心が高い状況にあり、これからお金を借り入れる場合の上限金利は、20%と決められています。通常は、低額の借り入れをするとき金利20%近く、より高額の借り入れのときは借入額にしたがって金利が徐々に下がってゆく傾向にあり、法律で定められた範囲内で貸金業者がそれぞれ決めています。

例えば、大手消費者金融の金利では、アコムが3.0%~18.0%、プロミスが4.5%~17.8%、アイフルが3.0%~18.0%です。

(※4)「グレーゾーン」の金利

利息制限法の上限金利は15%~20%、出資法の上限金利はかつて29.2%でした。貸金業者では、これらの上限金利の間を取って「グレーゾーン」の金利を設定していたことがあります。

消費者金融での年金受給者の審査

お金の借り入れを消費者金融に申し込むと、消費者金融は、申込者の現在の状況を多くの角度から審査します。審査の目的は、貸したお金が金利とともに決められた期間で返済されるかの信用調査で、申し込んだ人の属性(年齢、雇用形態、職業、勤務先、勤続年数、年収、住居の形態(戸建てか借家かなど))を評価すること、これまでの借入件数、返済履歴、返済延滞をしたことがあるかなどの信用情報を知ることにあります。

属性の各項目(質問)への回答と信用情報を点数化し、お金を貸せるに値する人か、貨せるとしたらいくらまでなら貸せるかを消費者金融側が決定します。属性については、回答が信用するに値するかの判断もしなければならないので、申し込みしたあと消費者金融から勤務先に本人の在籍確認をすることがあります。

ほとんどの消費者金融で評価の高い回答は、雇用形態は正社員、年収は高ければ高いほど、勤続年数は長いほど、住居の形態は持ち家であればなお良い、といった評価になります。年金受給者の場合は、返済期間を長くとれない関係で、特に年金以外の年収があればその金額が多いほうが、また、いざとなれば現金化ができる持ち家であれば、評価が高くなります。

具体的には、年金以外の安定収入があれば、69歳まで審査に通る可能性があります。また、年金収入のみの場合は、65歳以下なら審査に通る可能性はありますが、大手消費者金融では難しいかもしれません。いずれにしても借り入れが難しい年金受給者の場合、少額を短期間で返済する、必要最小限の計画を立てて借り入れの申し込みをするなど、審査に通りやすいようにする必要があります。

即日の貸し出し

消費者金融の「売り」のひとつが審査の速さです。申し込みを行った人の属性と信用情報を点数化することによって、貸し出しが可能かどうかの判断は、これまでのデータの蓄積と回収の実績からすぐにできます。消費者金融によっては、最短30分や最短即日と謳っている業者がほとんどです。

無利息期間

多くの大手消費者金融では、初めての利用に限り利息がかからない期間を設けています。例えば、アコムでの初めての借入時には、借入日から30日間は無利息なので、30日以内の返済であれば借入元金のみの返済で良いことになります。無利子で最長30日間お金が借りられるのは、大きな魅力に違いありません。

銀行カードローンの特徴

預金通帳

銀行法のもとで業務を行う会社(銀行)からも、お金を借りることはできます。銀行は、貸金業法の総量規制は受けないので、借入希望者の年収額が借入額の上限になることはありません。しかし、総量規制は受けなくても、銀行独自の方法で確実な返済がされる人に貸す姿勢は、消費者金融と変わりません。では、金利と審査面でその特徴を見てみましょう。

金利

返済時に支払う金利は、年金受給者がお金を借り入れる場合も重要な要素になります。しかし、審査に通れば金利は年金受給者も、それ以外の人も同じです。金利の上限は20%ですが、一般的に消費者金融で決めている金利より低く抑えられている傾向があります。例えば、三菱UFJ銀行のカードローンによる金利は、1.8%~14.6%です。

銀行での年金受給者の審査

銀行では総量規制はないものの、審査にかかわる内容が借り入れを申し込んだ人の属性と信用情報によることは、消費者金融の審査と変わりありません。また、年金受給者の借り入れ可能年齢は、年金以外の収入があれば、69歳まで借りられる可能性がありますが、年金のみの場合は銀行ごとに様々なケースがあります。

一例を挙げると、三菱UFJ銀行は64歳まで、みずほ銀行は65歳まで、スルガ銀行は70歳までです。一見、銀行のほうが利用可能な年齢が高いようですが、これは銀行のみに許された預金口座の開設ができることによります。審査のもうひとつの条件として年金振込の預金口座を開設することを挙げているのですが、これは、いざ返済が滞ったら預金口座の年金を差し押さえることができるからです。

いずれにしても、銀行でカードローンを利用する際も、消費者金融での申し込みと同様、少額を短期間で返済する、必要最小限の計画を立てて借り入れの申し込みをするなど、審査に通りやすいように工夫する必要があります。

個人信用情報

カードローンをはじめとする、お金に関する個人の信用情報は、個人信用情報機関で管理されています。お金の借り入れを申し込んだ際に申込者の属性が入力され、借入額や返済の実績がすべて個人信用情報機関の個人情報データベースに記録、管理されます。金融業者(消費者金融、銀行)は、契約した個人信用情報機関のデータベースにアクセスし、借り入れの申し込みをした人の属性と信用情報をチェックできるようになっています。

したがって、複数の金融機関に同時に借り入れの申し込みをしても、それぞれの金融機関が共通の個人信用情報データベースを見るので、総量規制のチェックも借入残高の累計もわかります。さらに、一度でも借り入れた金額の返済が遅延したり返済しなかったりしたことがある(金融事故がある)と、その情報が長期間にわたり個人信用情報データベースに残ります。この金融事故の情報があると、借り入れの新規申し込みの審査は通りません。

カードローン利用の際は年齢制限を確認

年金受給者がカードローンを利用する際の年齢制限には、「申込可能年齢(上限)」と「利用可能年齢(上限)」があります。どちらも同年齢を設定している金融機関も多いのですが、特に年金受給者は、これらの年齢制限に注意する必要があります。例えば、申込可能年齢も利用可能年齢も70歳であれば、70歳未満で申し込みが可能で、審査に通過すれば70歳までカードローンが利用可能という意味です。

年金受給者がカードローン以外でお金を借りる方法

ここまで見てきたように、年金受給者は高年齢かつ返済期間が限定されるので、年金以外の安定収入が重要になってきます。では、年金以外の安定収入がない年金受給者も含めて、カードローンではない借り入れの方法について考えてみましょう。

年金担保融資

独立行政法人福祉医療機構と、日本政策金融公庫が行っている「年金担保貸付制度」です。この制度はカードローンと比べると金利が低いですが、申し込みと借り入れまでの時間が長くなります。借りることができれば、投機性の高いギャンブルや公助良俗に反する使い道以外なら、特に制限はありません。

独立行政法人福祉医療機構

貸付限度額は、10万円から200万円で1万円単位に設定できます。ただし、受給している年金額の0.8倍以内、もしくは返済能力が高ければ1回あたりの返済可能額の15倍まで、という上限が決められています。金利は1.8%で、返済は年金機構から直接返済されます。この融資を利用するには連帯保証人が必要で、申し込みから融資決定まで3週間ほどかかります。

日本政策金融公庫

利用可能な年金受給者は、公務員の経験者です。貸付限度額は、250万円(生活資金としては、100万円)までです。金利は1.95%で、返済は年金の全額が返済に充てられます。この融資を利用するには連帯保証人が必要で、申し込みから融資決定まで3週間ほどかかります。

不動産を所持しているなら不動産担保ローン

本人名義もしくは、両親や配偶者名義の不動産を所有している場合、その不動産の価値を活かして資金の調達を行うことができます。この不動産担保ローンも比較的金利が低いというメリットと、やはり借り入れまでに時間がかかるというデメリットがあります。また、返済ができないときには、担保にしている不動産が差し押さえられるケースもあるでしょう。借入可能額は、担保にする不動産の価値によります。

したがって高額な借り入れもできますが、高額を短期間で返済ということにならないよう長期の返済計画も可能です。また、この方法はカードローンなどと違い、利息以外に事務手数料や、担保とする不動産の鑑定費用などが発生します。

キャッシング枠を利用する

クレジットカードの契約時には、キャッシング枠を作ることが可能です。これにより、カードでのキャッシングができるようになります。

カードローンと何が違うかというと、キャッシングでは返済を一括返済にするか、リボルビング払い(※5)にするかであり、カードローンのように分割による返済はできません。

(※5)リボルビング払い

毎月の返済額を一定に保ち、借入額の大小で返済額が変わることのないようにする返済方式です。

年金受給者でも融資の条件をよく確認すればお金を借りられる

今回は、年金受給者がカードローンによる借り入れができるかについてご紹介しました。

年金だけではなく安定した収入源を確保することや、それぞれのカードローン会社が掲示する融資の条件をよく確認して選ぶことなどが、借り入れのときにも大切なポイントです。カードローン以外でのお金の借り方は、年金担保融資などを利用すれば可能です。しかし、しっかりとした返済計画を立てて、担保物件を差し押さえられないように、十分気を付ける必要があります。

大山 敏和
大山 敏和

CFP(R)認定者/社会保険労務士/年金アドバイザー
アクシス社会保険労務士事務所代表

2014年8月CFP(R)認定、ファイナンシャルプランナーとしてお客様個人の資産状況分析、および資産形成・運用ノウハウのアドバイスならびにご提案を長期ライフプランとして提示。将来、老齢年金受給世代になったときに豊かに暮らせるライフプランの構築をターゲットに現役世代から見据えるライフストラテジーの確立を応援している。

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